愛知県豊川市の司法書士・行政書士いけだ事務所です。 

現在、株式会社では、株券を発行しないことが原則となっています。
しかし、かつては、株券を発行することが原則だったため、当該会社は、株券を廃止する手続きを行っていない限り、いまも株券発行する会社のままです。

 株券発行会社と株券不発行会社では、株券発行会社だけ必要となってくる手続きもあります。

 今回は、そんな株券発行会社についてです。

1.株券の発行

株券発行会社は、常に実際に株券を発行しないといけないのでしょうか? 

会社法第215条(株券の発行)
Ⅰ 株券発行会社は、株式を発行した日以後遅滞なく、当該株式に係る株券を発行しなければならない。

 つまり、原則は、遅滞なく発行しなくてはなりません。

 しかし、例外もあります。

非公開会社で株主から株券発行の請求が無いの場合や株主から株券の不所持申出があった場合は、株券を発行は不要となります。

会社法第215条(株券の発行)
Ⅳ 前三項の規定にかかわらず、公開会社でない株券発行会社は、株主から請求がある時までは、これらの規定の株券を発行しないことができる。

会社法第217条(株券不所持の申出)
Ⅰ 株券発行会社の株主は、当該株券発行会社に対し、当該株主の有する株式に係る株券の所持を希望しない旨を申し出ることができる。

 家族や親族のみの会社などでは、いままで株式の譲渡などを行っていないのであれば、実際に株券を発行していないことも多いかと思います。
しかし、相続対策や事業承継などのために株式を生前贈与しようとした場合、株券発行会社では、現在、株券を発行していなくても、株券を発行する必要があります。

会社法第128条(株券発行会社の株式の譲渡)
Ⅰ 株券発行会社の株式の譲渡は、当該株式に係る株券を交付しなければ、その効力を生じない。ただし、自己株式の処分による株式の譲渡については、この限りでない。
Ⅱ 株券の発行前にした譲渡は、株券発行会社に対し、その効力を生じない。

 そのため、すぐに株式を譲渡しようと思っても、株券を発行する必要があるので、譲渡手続きが完了するまで時間がかかります。 

2.株券提出手続

株券発行会社では、手続によっては、会社の株券を提出する必要がある手続きもあります。

次のような手続きで、原則、株券提出手続が必要となります。

(1)株式の譲渡制限規定の設定
(2)株式の併合
(3)全部取得条項付種類株式の取得
(4)取得条項付株式の取得
(5)株式売渡請求の承認
(6)組織変更
(7)吸収合併
(8)新設合併
(9)株式交換
(10)株式移転

 株券提出手続が必要な手続の場合、原則、株券提出日の1か月前までに、株券の提出に関する公告等を行う必要があります。

ただし、この株券提出手続にも例外があり、すべての株式について株券を発行していない場合には株券提出手続は不要となります。 

会社法第219条(株券の提出に関する公告等)
Ⅰ 株券発行会社は、次の各号に掲げる行為をする場合には、当該行為の効力が生ずる日(第4号の2に掲げる行為をする場合にあっては、第179条の2第1項第5号に規定する取得日。以下この条において「株券提出日」という。)までに当該株券発行会社に対し当該各号に定める株式に係る株券を提出しなければならない旨を株券提出日の1箇月前までに、公告し、かつ、当該株式の株主及びその登録株式質権者には、各別にこれを通知しなければならない。ただし、当該株式の全部について株券を発行していない場合は、この限りでない。
① 第107条第1項第1号に掲げる事項についての定款の定めを設ける定款の変更
全部の株式(種類株式発行会社にあっては、当該事項についての定めを設ける種類の株式)
② 株式の併合
全部の株式(種類株式発行会社にあっては、第180条第2項第3号の種類の株式)
③ 第171条第1項に規定する全部取得条項付種類株式の取得
当該全部取得条項付種類株式
④ 取得条項付株式の取得
当該取得条項付株式
④の2 第179条の3第1項の承認
売渡株式
⑤ 組織変更
全部の株式
⑥ 合併(合併により当該株式会社が消滅する場合に限る。)
全部の株式
⑦ 株式交換
全部の株式
⑧ 株式移転
全部の株式 

3.当事務所の取扱業務

当事務所では、株式の譲渡や株券の整備など、株券発行会社の株券に関する法務手続の支援を行っております。
また、株券を廃止するための手続きに関する支援、株券廃止の登記手続きも行っております。

豊川市・豊橋市などの東三河、静岡県湖西市・浜松市などで、自社の株券に関してお困りの方は、お気軽にお問い合わせください。